三角形の骨

三角形の骨

 ハワイアンの習俗や歴史について勉強するためにビショップ博物館などに行った。その折、知人に会うために出かけた、ハワイカイの環礁内で採取した骨がこの写真。

 形状はほぼ三角形で一辺が4cm程度。写真の手前側には、ほかの骨との接合部と思われる突起部分がある。採取当初は亀類の骨の一部のようにも思ったが、該当する骨もなく、現在調査確認中。 
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サメの椎体

サメ類椎骨 shark vertebra

 写真の”ホネらしき”は、神奈川県鎌倉材木座海岸で採取したものです。(漂着物学会の会員らしい活動もしています)
 左下の一点は2007年に、ほか二点は2005年に同じ海岸のほぼ同じ場所で採取したもので、”ホネらしき”はサメ類の椎体でした。(サメの種類までは不明のままです)

 今回調べ物をするにあたり、アドバイスいただきました平塚市立博物館長の浜口さんに感謝!ありがとうございました。

サメのなかみはふにゃふにゃ

 そもそも博物館などで見かけるサメは、化石や剥製ばかりで、骨格標本になっている姿を見たことがない。なぜだろう??
 考えてみれば、コトは極めてシンプルだった。魚類は大きく分けて、硬骨魚類と軟骨魚類に分けられる。魚類全体では約97%が硬骨魚類といわれている。残り3%の軟骨魚類にサメやエイが分類されている。つまり硬骨魚類であれば骨格標本を作ることができるが、軟骨は腐ってしまうために全身が軟骨で形成されているサメの骨格標本は、石灰化したアゴと歯だけが残るだけなのだ。あちこちでサメの骨格標本や骨格図を求めても、なかなか見つからないわけだ。ちなみに軟骨とはいえ、サメにも背骨はある。この背骨も包丁でサクッっと切れてしまうらしい。

これはどこのホネ?

 写真のホネはサメの背骨の”芯”にあたる部分だ。軟骨なら腐食してしまうため残らない。サメの背骨は軟骨でできているものの、サメの背骨の中心部分、つまり椎体は鉱物質で硬く、これが写真のように残るのだという。この椎体が円の部分を接するように連結して”背骨”を形成しているのだ。

余談

 サメの背ビレや尾ビレも”背骨”とつながっている。しかし、そのつながりも軟骨でできており、ヒレは繊維状の組織で形を保っている。フカヒレには骨がなく、”歯ごたえのある寒天”といった食感だが、これは地道にフカヒレの骨を取り除いているのではなく、最初から骨がないのだ。

(注)この記事はずいぶんと端折って、理解しやすく書くことを優先しました。学術的に正しく詳細に理解される場合には、本記事だけでは十分とはいえません。
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